RFMの欠点をお話する前にこちらの図をご覧ください。
これは、顧客のランクによって、どのくらいの反応があるかを計測した表です。
(顧客ランク別・標準反応表と呼びます)
大きく、現役と離脱に分かれています。
現役とは、直近1年間に購入のあった顧客を指し、
離脱とは、直近1年間に購入のなかった顧客を指します。
また、
初回とは、初めての購入客(F1客と呼ばれます)を指し、
よちよちとは、2回目の購入客(F2客と呼ばれます)を指し、
コツコツとは、これまでに3回以上の購入があった顧客を指し、
優良とは、文字通り優良な顧客を指します。
そこで、
各ランクの顧客から100人を選んでDMを送った場合、
優良現役客は、20%にあたる20人が買ってくれる
コツコツ現役客は、10%にあたる10人が買ってくれる
よちよち現役客は、5%にあたる5人が買ってくれる
初回現役客は、1%にあたる1人が買ってくれる
というものです。
また、
優良離脱客は、10%にあたる10人が買ってくれる
コツコツ離脱客は、5%にあたる5人が買ってくれる
よちよち離脱客は、2.5%にあたる2人が買ってくれる
初回現役客は、0.2%にあたる0人が買ってくれる(誰も買ってくれない)
というものです。
特に注意して見ていただきたいのが、
優良離脱客でも10%の反応がある、という事実です。
これは、コツコツ現役客の反応率と同じ数値ですね。
また、コツコツ離脱客の反応率はよちよち現役客の反応率と同じです。
つまり下記の表のとおりです。
ところで、
RFM分析の欠点とは、
青枠で囲んだ顧客は検索して抽出できるのですが、
赤枠で囲んだ顧客は検索して抽出することができないのです。
特に、優良離脱客やコツコツ離脱客の反応率を考えると、
かなりの売上を見落とすことになりますから、非常にもったいないことですね。
このように、DMを送る前に顧客のランク毎の反応率がわかっておれば、
「DMを送ったけれど採算が取れなかった」というリスクを回避できるのではないでしょうか。
ここで一つ事例をご紹介します。
これは食品の通販を行っている実際の企業のものです。
この企業では顧客を2万人ほど持っているのですが、その中から1773人を
抽出してDMを送ったのです。
ランク別の購入率は、
【現役層】では、
優良=19.2%、コツコツ=11.4%、よちよち=8.3%、初回=2.9%
【離脱層】では、
優良=11.1%、コツコツ=7.1%、よちよち=1.9%、初回=0%
となっています。
また、
優良離脱の反応率(11.1%)とコツコツ現役の反応率(11.4%)が
ほぼ同じで、
コツコツ離脱の反応率(7.1%)とよちよち現役の反応率(8.3%)も
ほぼ同じになっています。
顧客ランク別・標準反応表と同じ傾向になっていることがお分かりですね。
この分類方法は、顧客ポートフォリオ分析(CPM分析)と呼ばれているものです。
このような理由で、DMを送る場合は、RFM分析ではなくてCPM分析を
オススメしているのです。
この方法では、離脱層からの売り上げも見込めますし、大幅にDM配送料を削減できますので一石二鳥です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
では、またお会いしましょう。
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